気候変動(低・脱炭素) 産官学連携

IHI・ISCE²、SAF合成技術開発でCO₂からの液体炭化水素収率26%を確認

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IHIは2022年12月19日、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)傘下の研究機関ISCE²(Institute of Sustainability for Chemicals, Energy and Environment/化学・エネルギー・環境サステナビリティ研究所)と共同で、CO₂を原料としたSAF(Sustainable Aviation Fuel/持続可能な航空燃料)を合成するための新触媒を開発し、その触媒反応試験において世界トップレベルである26%の液体炭化水素収率を確認したと発表した。

今回、ISCE²と実施中のCO₂を原料とした低級オレフィン合成の開発経験における知見をもとに、機械学習等を活用しながら触媒組成・反応条件などの試験条件を効率的に探索・調整することで、SAF合成において高い性能を持つ触媒を開発した。

開発した触媒は、H₂とCO₂を直接反応させるSAF合成触媒において世界トップレベルの性能で、SAFの原料となる炭素数5以上の液体炭化水素の収率C5+:26%を記録した。

IHIは、「触媒開発は継続中で,触媒組成・反応条件の最適化によってさらに高い収率を目指す。加えて、耐久性および触媒の成型などに関する開発も進めていく。また、触媒開発と併行して反応器やプロセス開発を進めていく。今後、触媒開発およびプロセスの要素試験を完了させ、早期の商用化を目指す」としている。

IHIの担当者はシンガポール新聞の取材に対し、「最終的に収率C5+:30%以上を目指している。2030年頃の商用化を目指している」と補足した。

※関連記事「IHI、シンガポールA*STAR傘下研究機関とSAF合成技術にかかる共同研究開始

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