シンガポール航空グループは、NESTE社およびWorld Energy社と、それぞれ持続可能な航空燃料(SAF)を購入し、SAF証書を取得する契約を締結した。脱炭素化の取り組みを推進するとともに、再生可能燃料分野における供給経路、基準、認証システムに関する知見を深める。2025年5月15日発表した。
SAF証書は、SAFの使用によって達成された排出削減量を証明するもので、燃料供給業者は証書を登録し、航空会社に譲渡する。航空会社は、証書を転売したり、企業購入者に販売したりできる。航空会社は燃料を直接使用することなく排出削減に貢献できる。
NESTE社からは国際航空のカーボンオフセットおよび削減スキーム(CORSIA)において認証を受けたニートSAFを1,000トン購入した。購入したSAFはNESTE社のシンガポール国内工場で製造、現地混合の後、チャンギ国際空港で搭載された。シンガポール航空グループのNESTE社シンガポール製油所からのニートSAF購入は2024年5月以来2回目となった。
さらに、米国を拠点とするSAFメーカーであるWorld Energy社から、ブックアンドクレーム方式の流通管理モデルを利用して、CORSIA適格SAFを約2,000トン、排出削減量として購入した。ブックアンドクレーム方式の流通管理モデルは、製品の環境特性と物理的な使用を分離する仕組みで、航空会社はSAFを物理的に使用することなく、排出量削減の価値の購入・申告できる。地理的な制約を受けずにSAFの普及を支援する仕組みで、シンガポール航空グループは燃料の物理的な輸送を行うことなく、関連する排出削減量を計上できる。
いずれの契約も2025年第1四半期に完了し、これらの取引により9,500トン以上の二酸化炭素排出量の削減が見込めるという。