気候変動(低・脱炭素) 物流・ハブ

日本政策投資銀行、日系船主Kumiai社に融資、日本海事協会が船舶に高い評価

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日本政策投資銀行(DBJ)と日本海事協会(ClassNK)が共同運用するZero-Emission Accelerating Ship Financeに基づき、ClassNKは、Kumiai Navigation(Pte)Ltd(本社:シンガポール)が保有するLPG二元燃料大型LPG/アンモニア運搬船“CRYSTAL ODYSSEY”に対して評価を実施し、DBJは、Kumiai Navigation社に対して融資を実施した。2025年6月30日発表した。

Zero-Emission Accelerating Ship Financeは、脱炭素化に向け環境規制が強まっていく海運業界において、DBJとClassNKが共同開発した総合スコアリングモデルにより、「脱炭素・環境配慮性能・先進性」という観点でClassNKが船舶の評価を実施し、DBJが投融資を提供するプログラムで、海運事業者の脱炭素への移行に資する取り組みをIR面・資金面から支援している。

CRYSTAL ODYSSEY

“CRYSTAL ODYSSEY”は、川崎重工業坂出工場で建造され、2025年6月に引き渡された。

“CRYSTAL ODYSSEY”の評価にあたっては、(1)LPG燃料の使用により従来燃料油使用時と比較して約15%の二酸化炭素(CO2)排出削減が見込まれる点 (2)「アンモニア燃料レディ船」として将来的にアンモニア燃料を使用するための設計及び部分的な設備の搭載がなされている点 (3)排ガス再循環装置(EGR)及び選択式触媒還元脱硝装置(SCR)の搭載により国際海事機関(IMO)のNox3次規制に適応している点 (4)LPG燃料の使用によりIMOのSOx規制(特にECAとして指定された排出規制海域に対する0.1%規制)に適応している点――を高く評価したという。

その結果、“CRYSTAL ODYSSEY”は、Zero-Emission Accelerating Ship Financeにおける「脱炭素・環境配慮性能・先進性が特に高いと評価できる船舶」として、相応の環境関連投資がなされていると認める最高ランクのS評価を取得した。

◇“CRYSTAL ODYSSEY”(IMO番号:9997177)
【   船種  】LPG/アンモニア運搬船
【カーゴタンク容量】86,700m3
【建造造船所】川崎重工業坂出工場

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