三井物産は、シンガポールを本拠とする航空サービス大手SATS Ltd.と設立する合弁会社を通じ、SATS傘下の食品製造・食品卸企業への出資による事業参画に合意した。三井物産の合弁会社への出資額は約40億円、出資比率は15%。SATSの中核事業は機内食製造だが、三井物産との協業により機内食以外の食品製造・販売事業の強化、拡大を目指す。2024年7月19日発表した。
三井物産は、「アジアでは冷凍食品をはじめとする即食性の高い食品の需要が増加しており、今後も市場の拡大が見込める」と判断した。シンガポールに設ける合弁会社を通じて食品製造・食品卸事業を手掛けるSATS傘下のインド、タイ、中国、シンガポールの子会社に事業参画する。
具体的には、食品原材料や包材のグローバル調達力、冷蔵・冷凍物流効率化の推進や流通網の拡大、マーケティングによりSATS子会社で開発・製造する商品の品質向上を加速し、インドや中国を中心としたアジアでの付加価値食品市場に本格参入する。
SATSは世界27カ国215拠点以上で航空貨物ターミナルオペレーション及び機内食製造事業を展開している。
三井物産は2023年4月にSATSとアジア域内外での食品製造・販売流通における協業を目的とした戦略提携契約(MOU)を締結していた。
◇SATS Ltd.
【 所在地 】シンガポール
【 設立年 】1972年
【 代表者 】ケリー・モック(社長兼CEO)
【従業員数】約49,000人(連結ベース)
【事業概要】フードソリューション事業(機内食、非機内食の製造・流通)、ゲートウェイサービス事業(航空貨物ターミナルオペレーション、空港関連サービス)