IHIとRoyal Vopak社(本社:ロッテルダム)は、アンモニアターミナルの開発・運営を共同で検討する覚書を締結した。2023年11月21日発表した。
共同検討は、火力発電の炭素排出を削減するための燃料および水素キャリアとしてアンモニアを日本国内外で経済的に流通させるための大規模アンモニア貯蔵ターミナルを対象とする。アンモニアターミナルの運営を合理化し、価格競争力を強化させると共に、様々な水素誘導体への転換・供給を行う可能性についても検討する。
IHIは、現在、燃料アンモニア製造・貯蔵・利活用といった上流から下流までの一貫した技術開発に取り組んでいる。日本国内のアンモニア貯蔵タンクにおいて約7割のシェアで設計・建設実績を持ち、LNG貯蔵タンクで培った大型貯蔵タンク技術を活かし、大規模アンモニア受入ターミナルの総合的な技術開発を進めている。
Royal Vopak社は、世界最大規模の石油・化学品等の貯蔵能力をもつタンクターミナル運営会社で、大規模なアンモニアの輸入、貯蔵、流通インフラも開発している。20年以上にわたり、中国、サウジアラビア、シンガポール、マレーシア、米国でアンモニア貯蔵を行っている。
IHIの担当者はシンガポール新聞の取材に対し「(日本国外で共同検討を行う)具体的な国は検討中である」と答えた。