日本板硝子（東京都港区）は2023年11月９日、マレーシア・ジョホール州でグループ企業が進めていた太陽電池パネル用透明導電膜（Transparent Conductive Oxide、TCO）付きガラス製造設備の新設工事が完了し、火入れを完了したと発表した。投資額は非公表。
同投資は、マレーシア国内を中心に建築用ガラス、自動車用ガラスの製造・販売を行う100％子会社Malaysian Sheet Glass SDN BHDのジョホールバル工場にあるフロート窯にオンラインコーティング設備を新設した。2023年12月より太陽電池パネル用TCOガラスを生産する予定。
日本板硝子グループと長期にわたる戦略的パートナーである米国の大手ソーラーテクノロジー企業First Solar, Inc.の生産拡張方針に沿って進めているもので、生産されたガラスはFirst Solar社の東南アジア地域の太陽電池パネル製造拠点に供給する。
日本板硝子グループは、First Solar社をはじめとする太陽電池パネルの世界的な需要増大に対応するため、2020年１月にベトナムで２窯目の太陽電池パネル用ガラスの専用フロートラインを稼働させたほか、同年11月には米国オハイオ州ラッキーでも新工場を稼働させている。製品はいずれもFirst Solar社に供給している。
日本板硝子の担当者はシンガポール新聞の取材に答え、「稼働後の生産量は概ね年10万トンである。First Solar社のベトナム、マレーシア、インドの太陽電池パネル製造拠点に供給する」と補足した。