日本板硝子(東京都港区)は、マレーシア・ジョホールバルで、太陽電池パネル用透明導電膜(TCO: transparent conductive oxide)付きガラス製造設備の新設投資を計画している。
マレーシア国内を中心に建築用ガラス、自動車用ガラスの製造・販売事業を展開するグループ企業Malaysian Sheet Glass SDN BHDのジョホールバル工場にあるフロート窯でオンラインコーティング設備を新設する。
日本板硝子の担当者は2022年11月29日、シンガポール新聞の取材に対して、「着工は2023年度となる。稼働後の生産量は年10万トン程度で標準的なフロート窯と同じレベル」と明らかにした。
生産開始は2024年3月期第4四半期を予定する。
同新設投資は、薄膜太陽光パネルの世界的メーカーで、日本板硝子と長期間にわたり協力関係にある米・ファーストソーラー社の生産拡張方針に沿った計画で、ファーストソーラー社はアジアにおいて、既存のベトナム、マレーシア拠点に加え、インドに生産拠点を建設中という。
日本板硝子グループは、ファーストソーラー社をはじめとする太陽光パネルの世界的な需要増大に対応するため、2020年1月にベトナムで2窯目の太陽電池パネル用ガラスの専用フロートラインを稼働させたほか、同年11月には米オハイオ州ラッキーでも新工場を稼働させており、製品はいずれもファーストソーラー社に供給している。