シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)と海事港湾庁(MPA)は、ジュロン島における発電およびバンカリング用の低炭素またはゼロ炭素アンモニア・ソリューションの開発事業者候補を6つのコンソーシアムに絞った。2023年10月23日発表した。
同プロジェクトは、(1)ガスタービン/コンバインドサイクル・ガスタービンでの直接燃焼により、輸入された低炭素またはゼロ炭素アンモニアから55~65MWの電力を発電すること (2)陸から船へのバンカリングに続いて船から船へのバンカリングを開始し、年間100万トン以上のアンモニアバンカリングを促進すること――で構成される。
2022年12月に開始し2023年4月末に締め切った関心表明(EOI)のプロセスのもと、EMAとMPAは国内外企業から合計26件の提案を受けた。EMAとMPAは寄せられた提案を技術的、土地最適化、安全性、商業的側面に基づき評価した。
今後、6つのコンソーシアムは非公開の提案依頼書(RFP)のプロセスに進み、提案をさらに発展させる。
EMAとMPAは、エンド・ツー・エンドのアンモニア・ソリューションを共同開発する主幹開発企業を選定し、技術とグローバル・サプライ・チェーンが黎明期であることを踏まえ、選ばれた開発業者と緊密に協力してプロジェクトを実施する。
同プロジェクトは、シンガポールをアンモニア直接燃焼発電所を試験・展開する世界初の国の一つとして位置づけ、国際海運と国内港湾船舶の両方に対するアンモニア燃料補給の全体的評価を行う。EMAとMPAは、「実行可能性が証明されれば、同プロジェクトは低炭素燃料としてのアンモニアの可能性を解き放つことに大きく貢献する」としている。
なお、EMAとMPAは6つのコンソーシアムを構成する企業名については公開しない。
EMAの担当者は、シンガポール新聞の取材に対して、「RFPのプロセスは2023年末までに開始する予定で、コンソーシアムが提案を改良するために数カ月の期間を設ける。主幹開発企業を任命する正確なスケジュールはその後決定される」と答えた。