丸紅は、世界最大手のオープンハッチ船運航会社であるスイスのGearbulk Holding AGに出資参画することに合意した。Gearbulk社創業家オーナーであるKristian Jebsen氏100%出資のSPCから株式25%を取得する。今後、所定の前提条件の充足をもって出資を行う。Gearbulk社は丸紅の持分法適用会社になる。2025年6月2日発表した。
オープンハッチ船は、箱型の船艙と船艙幅の広いハッチを持ち、パルプ、鋼材、アルミインゴットなどの半製品を効率的に輸送し荷役することができる。また、ハッチやデッキ上に貨物を積載することも可能な仕様で、風力発電関連資材等のプロジェクト貨物や重量物も輸送できる。

オープンハッチ船
Gearbulk社は1968年創業。以来、オープンハッチ船の運航に特化した事業を展開し、パルプや鋼材などの半製品の輸送を柱として、小型貨物と大型貨物の相積みなど、高度な技術や知見が求められる付加価値の高い輸送を強みとしてきた。2025年1月20日以降は商船三井の子会社となっている。
丸紅は、シンガポールの子会社であるMMSL Pte Ltd(MMSL社)を通じて、長年にわたり船舶保有事業を行っている。Gearbulk社とは20年以上の定期用船・リース取引を通じて、パートナーシップを築いてきた。
丸紅は今回の出資を通じて、これまでの船舶事業で培った船舶保有および運航機能の強化・拡大を図るとともに、Gearbulk社および商船三井と連携し、オープンハッチ船運航事業という新たな事業領域を開拓する。
なお、丸紅が株式を取得した後のGearbulk社への出資比率は、商船三井72%相当、丸紅25%となる。
◇Gearbulk Holding AG
【 所在地 】Pfäffikon SZ, Switzerland
【 設立 】2014年
【 代表者 】Kristian Jebsen
【事業内容】オープンハッチ船運航事業