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日系コンテナ船ONE社、バイオ燃料トライアル運航に成功、書類をデジタル化

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シンガポールに本社を置く日系コンテナ船社Ocean Network Express Pte.Ltd.(ONE社)は2023年2月21日、“M/V MOL ENDOWMENT”がシンガポール港でバイオ燃料を補油し、ONE社として4回目となるバイオ燃料によるトライアル運航に成功したと発表した。

トライアルは、ドロップインバイオ燃料の品質、量、GHG削減保証枠組みの確立を目的とする海上脱炭素化グローバルセンター(GCMD)のパイロットプロジェクトの一環として実施された。

“M/V MOL ENDOWMENT”は2022年12月21日、使用済み食用油メチルエステル(UCOME)と超低硫黄燃料油(VLSFO)を混合したシェブロン社のバイオ燃料(B24)を992 metric tons補油。その後、ONE社の日本海峡地マレーシア(JSM)サービスに投入され、2023年1月7日の神戸港出港からバイオ燃料の使用を開始し、台湾・基隆、香港を経てマレーシア・ポートクラン港に到着、日本への復航中の2023年1月26日、使用開始から20日間でバイオ燃料を使い切った。

トライアルの結果、船舶のエンジンや燃料インフラに変更を加える必要はなく、船舶からの炭素排出を削減できる「ドロップイン燃料」と見なせることが実証された。

なお、バイオ燃料の供給は、シンガポール海事港湾庁(MPA)が定めた規格(WA2:2022)に従って行われた。

また、今回のトライアルで、ONE社とシェブロン社は、サプライチェーンのエコシステム・パートナー間の安全な情報交換を可能にするデジタルユーティリティ『SGTraDex』(Singapore Trade Data Exchange)を通じて、品質証明書、バンカリング販売確認書、バンカー・デリバリー・ノート、バンカリング販売インボイスを含むバンカリング書類の交換を行った。

さらに、マスフローメーター(MFM)の領収書、MFMシールチェックリスト、メーター記録用紙、国際サステナビリティ&カーボン(ISCC)認証などの補助書類もデジタル化し、紙ベースのプロセスを削減した。

※関連記事「シンガポール海事港湾庁、ONE社等と『海上脱炭素化グローバルセンター』設立

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