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窪田製薬HD、シンガポール国立大学病院と共同研究契約、PBOSの実用性評価

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窪田製薬ホールディングス(東京都港区)は2023年7月、100%子会社のクボタビジョン・インク(米国ワシントン州)が開発する遠隔眼科医療用網膜モニタリング機器PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)について、シンガポール国立大学病院(NUH)と共同研究契約を締結した。8月3日発表した。

重度の網膜疾患においては、高価な薬剤を1カ月あるいは2カ月ごとに繰り返し眼内注射で投与することが多く、最適なタイミングでの治療の実現が課題になっている。窪田製薬ホールディングスでは、ウェット型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫等の網膜疾患の患者が、在宅あるいは遠隔で網膜の状態を測定するデバイスとして超小型モバイルOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)を開発している。インターネットを介して、網膜の構造の変化といった病状の経過を、医師が遠隔で診断できるシステムの確立を目指している。

共同研究では、シンガポール国立大学永禄林医学部眼科学科長のビクター・コー助教授による主導のもと、PBOSの実用性を評価する。共同研究期間は非開示。

コー助教授は「PBOSプラットフォームのようなホームベースの網膜イメージング技術は、眼科医が通院を最小限に抑えながら、患者の視力回復を最大化できるタイムリーな治療方針の決定を可能にする大きな可能性を秘めている。患者のことを考え、窪田製薬ホールディングスとのパートナーシップを通じて、NUHで慢性的な目の状態をモニターするための、斬新で簡単に利用できるアイケアモデルを開発できることを願っている」とコメントした。

窪田製薬ホールディングスの窪田良代表取締役会長、社長兼最高経営責任者(博士)は、「黄斑変性症や糖尿病性網膜症などの網膜疾患は、世界的に最も一般的な視力低下の原因と言われている。これからの眼科医療の最前線として、ポータブルで低コストな網膜モニタリングデバイスであるPBOSを多くの人に提供できるよう努める」とコメントした。

窪田製薬ホールディングスは、同共同研究契約締結による2023年12月期連結業績予想への影響はないとしている。

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