三菱重工業は2023年7月12日、豪州東南部のニューサウスウェールズ州にあるニューカッスル港(Port of Newcastle)との間で、豪州気候変動・エネルギー省ボーエン大臣の同港訪問に合わせ、ニューカッスル港における約220ヘクタールのクリーンエネルギー地区実現に向けた取り組みに関する覚書(MOU)を締結した。
MOU締結式 (左から)Mitsubishi Heavy Industries Australia, Pty. Ltd.の中林 茂Managing Director、ニューカッスル港のSimon Byrnes CCO、同 Craig Carmody CEO、三菱重工業の加口仁・取締役副社長執行役員、同 大野修・執行役員アジア・パシフィック総代表兼インド総代表兼Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte.Ltd.社長
クリーンエネルギー地区プロジェクトに関する具体的な取り組みは、内陸と沖合の風力発電の開発、送電、クリーンエネルギーの生産・貯蔵・輸出とバンカリングなど多岐にわたる。
クリーンエネルギー地区を起点として、州東南部ハンター地域全体へのクリーンエネルギー技術の供給、クリーンエネルギー製品の輸出、港湾地区のあらゆるエネルギー分野にわたるクリーンエネルギープロジェクトとのさらなる協力の可能性を模索する。クリーンエネルギーの主要市場である日本などのグローバル企業が持つ専門知識を活用し、同地域における世界レベルのクリーンエネルギー経済圏構築と豪州の脱炭素化実現を目指す。
ニューカッスル港は、豪州政府によりニューサウスウェールズ州の水素ハブに指定されている。
ニューカッスル港のクレイグ・カーモディCEOは、「ニューカッスル港取扱い貨物の多様化戦略において、このプロジェクトは中心的な役割を果たす」とコメントした。
三菱重工の加口仁・取締役副社長執行役員は、「三菱重工は、水素/アンモニア発電、CO2回収技術をはじめとして、アンモニア/メタノール製造プラント、アンモニア・液化CO2運搬船などニューカッスル港の水素ハブ実現に必要と思われるさまざまな技術を保有しており、この知見に基づいて港湾内におけるエネルギー関連設備の最適構成を検討する。ニューカッスル港は、資源積出し港として古くから日本にとって重要な拠点であり、このプロジェクトを通じて、豪州や日本の脱炭素化に貢献できるように取り組んでいく」とコメントした。