気候変動(低・脱炭素) 物流・ハブ

阪和興業、『B30 VLSFO』を韓国国外海運会社に納入、シンガポールでも販売

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阪和興業は2024年12月7日、韓国・釜山港でYang Ming Marine Transport Corp(本社・台湾、陽明海運)が運航する船舶にバイオ燃料『B30 VLSFO』(HD HYUNDAI OILBANK製、30% UCOME/70% 重油)を納入した。これまで『B30 VLSFO』の販売は韓国国内の海運会社に限定されてきたが、12月より全世界の海運会社への販売がオープンになったことを受け、阪和興業がHD HYUNDAI OILBANK社にとって初となる韓国国外の海運会社への販売を決め、納入を完了した。

韓国でのバイオ燃料の供給は2023年からトライアル期間という位置づけで開始された。韓国ではバイオ燃料は油種別に『B30 HSFO』と『B30 VLSFO』の2種類あり、スクラバー搭載船向けの『B30 HSFO』はGS CALTEX社が、『B30 VLSFO』はHD HYUNDAI OILBANK社が供給している。

GS CALTEX社は2023年9月から『B30 HSFO』の供給を開始し、韓国の大手コンテナ船社HMMやGLOVIS、韓国国外の大手コンテナ船社EVERGREENなどに販売している。

一方、HD HYUNDAI OILBANK社は2024年7月から『B30 VLSFO』の供給を開始したが、販売は韓国国内の海運会社に限定された。トライアル期間中はバイオ燃料の原料(UCOME)の調達を韓国国内企業から行う必要があり、原料が限定的であることから、全海運会社にオープンにすると供給不足に陥るおそれがあったことなどが背景にあるという。

その後、需要感と納入実績がある程度見えてきたため、12月に入り全世界の海運会社への販売がオープンになり、阪和興業がYang Ming Marine Transport Corpへの販売を決め、納入も完了した。阪和興業は「今回の納入を皮切りに、全世界の海運会社のGHG削減の一助となるようサポートしていく」としている。

なお、韓国でのトライアル期間は『B30 HSFO』『B30 VLSFO』とも2025年6月まで継続する見込み。期間中は、船のエンジンデータをKorea Petroleum Management Service(韓国政府機関)に提出を求められるなど、一部制限が課せられる。

阪和興業の担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「阪和興業は東京とシンガポール(HANWA SINGAPORE(PRIVATE)LTD.)で『B30 VLSFO』の販売アカウントを持っている。シンガポール港などでも納入できる。ただ、韓国ではトライアル期間ということで従来バージで良かったが、シンガポールではケミカル品を運べるType2バージが必要になるので、プレーヤーは限定される。トライアル期間中はいずれの船もエンジンデータの提出が必要になる」と補足した。

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