医療・健康 進出・出資・撤退

ジェイ・エム・エス、旭化成Mの中国の白血球除去フィルター製造販売子会社買収

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医療機器・医薬品の製造・販売・輸出入事業のジェイ・エム・エス(広島市)の連結子会社であるJMS SINGAPORE PTE.LTD.(JMSS)は2023 年7月14日、旭化成メディカルから同社子会社の旭化成医療科技(張家港)有限公司(AKTT社)の出資持分100%の全てを譲り受ける旨を決定し、出資持分譲渡契約を締結した。取得価額は非開示。株式譲渡実行日は2023年10月31日を予定する。

ジェイ・エム・エスは、主力事業の一つである血液事業において、献血の際に血液を保存する血液バッグなど、採血から輸血までに必要となる製品の製造販売をグローバルに展開している。

日本をはじめ多くの国では、献血で採取された血液から作られる血液製剤の輸血時の副作用を予防するため、白血球除去フィルターを組み込んだ血液バッグが使用されており、今後もその需要は拡大する見込みという。

AKTT社では、旭化成メディカルの白血球除去フィルター「SepacellTM」に係る技術、ノウハウも活用して、主に中国国内向けに白血球除去フィルターを製造販売している。

ジェイ・エム・エスは、AKTT社の出資持分の全てを取得して孫会社とすることにより、これまで外部調達してきた白血球除去フィルターを内製化し、血液バッグとの一体的な事業運営を通じてシナジーを創出するとともに、白血球除去フィルターの供給という新たな役割を担うことで世界の血液関連市場における存在感を高め、事業収益の拡大を図る。

株式取得による今期の連結業績に与える影響は軽微。

ジェイ・エム・エスの担当者はシンガポール新聞の取材に対し、「JMSSでは、日本赤十字社向けを含む、世界中の血液センターに血液バッグを製造・販売していることから、JMSSの子会社とした。また、ジェイ・エム・エスは血液バッグのみでなく、血液フィルターも製造・販売することで、世界の血液関連市場における存在価値を高めていく。株式異動後、旭化成医療科技(張家港)有限公司の社名は変更するが、新社名については検討中である」と答えた。

◇JMS SINGAPORE PTE.LTD.
【 所在地 】440 Ang Mo Kio Industrial Park 1, Singapore, 569620
【 代表者 】代表取締役 迫田 亨
【事業内容】医療機器、医薬品の製造・販売及び輸出並びに輸入
【 資本金 】1,600万シンガポールドル(約16億7,300万円)

◇旭化成医療科技(張家港)有限公司
【 所在地 】中華人民共和国江蘇省張家港市金港鎮香山河路8号
【 代表者 】総経理 浅川 理史
【事業内容】輸血用白血球除去フィルターの開発・製造・販売
【 資本金 】11,163万元(約21億8,400万円)
【設立年月日】1999年10月13日
【 出資者 】旭化成メディカル100%

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