日本郵船は2024年7月8日、ENEOSホールディングスの連結子会社でENEOSグループの海運事業を手掛けるENEOSオーシャンが新たに設立し、ENEOSオーシャンの原油タンカー事業以外のLPG船、ケミカルタンカー、プロダクトタンカー(石油製品船)および貨物船(ドライバルク船)等を中心とする海運事業を吸収分割により承継させる新会社株式の80%を取得し、子会社化することについて、ENEOSオーシャンと合意した。株式譲受金額は非開示。
日本郵船の発表によると、新会社はLPG船18隻、ケミカルタンカー・プロダクトタンカー19隻、貨物船12隻の計49隻を運航し、傘下に在シンガポールの運航会社や船舶管理会社など16社を含む予定。
同取引は公正取引委員会等の国内外の関係当局の承認および許認可の取得等を条件とし、2025年4月1日に完了する見込み。
日本郵船の担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「新会社の社名は未定で、今後協議する。所在地は当面、ENEOSオーシャン本社(横浜市)の一部を使用する予定である。新会社の傘下に入る16社には船舶保有を目的としたSPC(Special Purpose Company)や船舶管理会社、シンガポールの運航会社などを含むが各社の社名は非開示だ。ENEOSオーシャンから新会社には対象事業に従事する人員と新会社の運営にあたる管理部門の人員が移管される予定で、全体で約100人程度を予定している。日本郵船、Stolt Tankers社、ENEOSオーシャンで行っているケミカル船プール事業は、譲渡後は日本郵船・Stolt Tankers社・新会社の3社体制で継続する予定である」と答えた。
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ENEOSホールディングスは2024年7月8日、グループの海運事業を手掛けるENEOSオーシャンの原油タンカー事業以外のLPG船、ケミカルタンカー、プロダクトタンカーおよび貨物船等を中心とする海運事業を、吸収分割によりENEOSオーシャンが新たに設立する完全子会社(新会社)に承継させた上で、新会社株式の80%を日本郵船に譲渡することについて、日本郵船と合意した。
ENEOSホールディングスの発表によると、近年の船価の高騰による投資負担増や、CO2排出量をはじめとする世界的な環境規制への対応、DXの推進による安全性の向上・運航の効率化などの課題に対応する為には、グローバルな海運セクターにおける成長戦略を描くことができる新たなオーナーのもとで事業を行うことが対象事業、そしてENEOSホールディングスグループにとって最適と判断し、日本郵船に譲渡することを決めたという。「ENEOSオーシャンを通じて新会社株式の持分を20%保有することで対象事業に引き続き関与し、日本郵船グループと共に対象事業の将来的な成長に向けて歩んでいく」としている。
ENEOSホールディングスの担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「株式80%の譲渡金額については回答を控える」と答えた。