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三菱電機、CVCファンド通じシンガポール発の水浄化装置スタートアップに出資

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三菱電機は、グローバル・ブレインと共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド」が出資する第5号案件として、汚水を浄化する処理技術を保有するシンガポール発のスタートアップ企業Hydroleap Pte.Ltd.へ出資した。三菱電機とグローバル・ブレインが2023年7月19日発表した。出資額と出資後の持株比率は非開示。

東南アジア地域の産業排水に関する問題は、工場、石油やガスの精製、建設工事、データセンターの維持管理など多岐にわたる。産業排水には毒性の強い重金属、濃度の高い有機物、難分解性物質などが含まれる場合があり、深刻な水質汚染問題を引き起こしている。年々、厳しくなる排水基準に対して、現在、多く使用されている生物処理だけでは対応が難しくなっており、排水処理の工程で生物処理を補完する手段として電気分解法が注目されているという。

Hydroleap社は2016年12月設立。発表によると、電解凝集法(HL-EC:Electrocoagulation)、電解酸化法(HL-EO:Electrooxidation)と呼ばれる2つの排水処理技術を保有し、排水処理技術の研究開発と水浄化装置の製造と販売を行っている。

今後、三菱電機は、Hydroleap社による電気分解法を活用した水浄化装置の普及を支援していく。

三菱電機の榊原・執行役兼CDO(DX担当、ビジネスイノベーション本部長)は、「近年、工業化が進んだ東南アジア地域では、工場排水による水質汚染問題が深刻になっており、多数の製造拠点を置く三菱電機も重要な課題と認識している。Hydroleap社への出資を通じて、東南アジア地域の水質問題の解決に取り組み、そこで得られた知見を活かして、グローバル規模の環境問題の解決に貢献していく」とコメントした。

三菱電機の担当者はシンガポール新聞の取材に応じ、「協業の第一歩として、三菱電機が保有している製造拠点に今後、試験的に導入する検討を始めた」と補足した。

◇Hydroleap Pte.Ltd.
【  代表者 】Mohammad Sherafatmand
【  所在地 】84 Toh Guan Rd E, #03-08/09 Singapore Water Exchange, Singapore 608501
【 設立 】2016年12月
【事業内容】水浄化技術の研究開発、及び水浄化装置の製造と販売

◇MEイノベーションファンド
【  登記上の名称 】MEイノベーション投資事業有限責任組合
【無限責任組合員】グローバル・ブレイン
【   運用総額  】50億円

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