Wismettacフーズ(東京都中央区)とヤマト運輸(東京都中央区)は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において、国内外で流通する荷物の位置情報や温度推移などの輸送関連情報をリアルタイムに可視化する「トレーサビリティプラットフォーム」を活用した、農産品輸出の実証実験を実施した。2023年3月30日発表した。
同プラットフォームは、(1)IoTデバイスや電子タグを利用し、国内外の複数ユーザーの荷物の位置情報や温度推移をリアルタイムに確認が可能 (2)顧客自身で輸送計画を事前に登録することができ、配送完了までの一連のオペレーションをひとつのシステム上でリアルタイムに管理が可能 (3)輸送時に温度やセキュリティなどの異常を検知した場合は、アラートを発出するため、速やかな対処が可能――といった特長を備える。
2021年7月から実施してきた実証実験では、日本から米国・シンガポール・香港・タイ・台湾に、高品質なメロン、サツマイモ、イチゴ、リンゴなどをマルチモーダル輸送(陸・海・空)した。リアルタイムに輸送中の温度や衝撃、位置情報などの関連情報を可視化・把握することで、温度などによる農産品の変色の未然防止や、食べ頃を考慮した輸送経路や時期の調整など、新たな付加価値の提供に繋がることが実証されたという。
両社は、「フードチェーン情報公表JAS」の制定に向けた規格原案を提出するための輸出実証を行うなど、日本の農産品の高付加価値化に向けた取り組みも進めている。今後の展開について「SIPのスマートフードチェーンコンソーシアムが推進する、フードチェーンにおける様々なデータを連携するプラットフォーム『Ukabis』との連携も検討していく」としている。