豊田通商グループのネクスティエレクトロニクス(東京都港区)は、ユニックが製造販売している電動ラジコン草刈り機に対して、シンガポールのSpectronik Pte.Ltd.製の小型水素燃料電池を搭載した長時間駆動可能な電動ラジコン草刈り機を2023年2月に開発した。早期販売を目指す。3月29日発表した。
ネクスティエレクトロニクスは2022年5月にSpectronik社と販売代理店契約を締結。Spectronik社製の水素燃料電池の搭載が可能なアプリケーションの開発に取り組んできた。中でも、長時間駆動に課題のある電動ラジコン草刈り機に着目し、ユニック、JFEコンテイナーと共に2021年より開発を進めてきた。
従来の電動ラジコン草刈り機は、リチウムイオンバッテリーを採用していて、中山間地域など充電環境のない地域や、太陽光発電所・果樹園などの広範囲にわたるエリアでは、長時間の連続作業に対応できないという課題があった。
ネクスティエレクトロニクスが開発した水素燃料電池を搭載した電動ラジコン草刈り機は、実証実験の段階では2.8リットル19.6Mpaの高圧水素容器を2個搭載した状況で稼働を確認しており、今後の量産化では6.8リットル29.4Mpaの高圧水素容器を2個搭載し、約8時間の連続作業能力が確保される予定という。
水素はCO2を排出しない次世代のエネルギーとして期待されている。
ネクスティエレクトロニクスの担当者は、シンガポール新聞の取材に対し、「駆動時間はリチウム版は約5時間で、水素燃料電池搭載により約8時間に伸びる。2023年秋ごろの販売開始を想定している」と答えた。