Woodside Energy Ltd、Keppel Data Centres Holding Pte Ltd、City Energy Pte Ltd.、大阪ガスのシンガポール法人Osaka Gas Singapore Pte Ltd.、City-OG Gas Energy Services Pte Ltd.の5社は、西オーストラリア州からシンガポールおよび日本への持続可能な液体水素(LH2)の長期安定供給網の実現可能性を技術面、商業面の両面から検討するため覚書(MOU)に調印した。2021年12月22日共同発表した。
Woodside Energy社は、西オーストラリア州南西部Kwinanaに大規模なLH2およびアンモニアの輸出ハブ設立を目指すH2Perthプロジェクトを計画している。今回のMOUはH2Perthプロジェクトに関わるもので、2022年半ばまで研究を行い、終了時点で次の協力関係を決めることにしている。
水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、発電、都市ガス、工業用原料など様々な用途に利用できる有望な次世代低炭素燃料と位置付けられている。水素はマイナス253℃以下に冷却すると液体になり、LH2は気体の状態よりも体積が大幅に小さくなるため、貯蔵や輸送が容易になる。
共同発表の中で、Woodside Energy社のMeg O’Neill CEOは「H2Perthは、シンガポールと日本への輸送に最適な西オーストラリア州に位置し、プロジェクトサイトは既存のガス、電力、水、港湾のインフラに近く、熟練した地元の居住者にも恵まれている」とコメントした。
Keppel Data Centres社のWong Wai Meng CEOは、「MOUは、豪州産のLH2をシンガポールのデータセンターの電源として利用する可能性を探るもので、将来的にはケッペルの他の事業部門にも適用される可能性がある。輸送・貯蔵・再ガス化を含む中流から下流のセグメントを調査するために各パートナーと締結した既存のMOUを補完するものだ」とコメントした。
City Energy社のPerry Ong CEO(City-OG Gas Energy Services社 Chairman)は「City Energy社は87万戸以上の家庭や企業に都市ガスを供給する唯一の導管事業者として、都市ガスの脱炭素化を事業戦略の中核に据えている。特に、都市ガス製造工程で使用するグリーン水素の輸入の可能性を検討している」とコメントした。
大阪ガスシンガポール社の平林幹由社長兼CEOは、「エネルギー転換の中で水素は大きな役割を果たすことになる。液化水素サプライチェーン整備は不可欠であり、当社はLNGバリューチェーン事業で培った経験・ノウハウを活かして、Woodside Energy社とKeppel Data Centres社が主導するプロジェクトに貢献する」とコメントした。