三菱重工業のシンガポール現地法人Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte.Ltd.(MHI-AP)は2020年6月18日、Keppel Data Centers Holding Pte Ltdと、水素を燃料とし、電力、熱とともに発生する二酸化炭素も有効活用するトリジェネレーションシステムプラント概念のシンガポールのデータセンターへの実装を共同研究する覚書(MOU)を締結した。
水素を燃料とするトリジェネレーションシステムプラントは、温室効果ガスを排出せずに発電し、一方でプラントによって生成された冷水がデータセンターのシステムと設備を冷却する。両社は、同プラントをデータセンターに接続することで、環境に配慮しながら既存電力への依存を低減できるかを検証する。
また、MOUの一環として、蒸気メタン改質(SMR)プロセスによるトリジェネレーションシステムプラント用の水素燃料の生産も検討する。
ケッペルデータセンターは、日本郵政グループの豪・国際物流Toll Groupらとともに構想するシンガポールの洋上データセンターに知見を活かす。
三菱重工業の花沢芳之アジア・パシフィック総代表兼インド総代表兼Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte.Ltd.社長は「水素は脱炭素化に向けた世界的な取り組みにおける主要なエネルギーキャリアとなるだろう。当社は水素に関する長期的な専門知識を持っており、エネルギーの円滑な移行を確実にすることを目的とした、信頼性が高く革新的な業界横断的なソリューションの提供に引き続き注力していく」とコメントした。