日本郵船とシンガポールの非営利団体Global Centre for Maritime Decarbonisation(海運脱炭素化グローバルセンター、GCMD)は2023年7月4日、日本企業初の戦略的パートナーシップ契約を締結した。契約期間は5年間。
GCMDは国際海運の脱炭素化実現への具体的かつ明確な道筋を提示するために、数々の調査や実証プロジェクトを実施している。両者は今回のパートナーシップにより、その推進力をさらに強化する。
GCMDはアンモニア燃料の供給における国際的なガイドライン策定に向けた安全性の検討を4月に完了し、日本郵船は調査パートナーの1社として知見の提供などで貢献した。
GCMDはさらにパートナーと5回にわたる実証試験を行い、ドロップインバイオ燃料の品質と量を確保し、かつGHG削減量を算出するための枠組み構築を進めるとともに、バイオ燃料を使用する際の追加コスト(グリーンプレミアム)について分析を進めているという。
GCMDのLynn Loo最高経営責任者(CEO)は、「日本郵船が戦略的パートナーとして加わることを誇りに思う」とコメントした。
日本郵船の曽我貴也社長は「このパートナーシップが海事セクターの温室効果ガス排出削減に向けた取り組みを大きく後押しすると確信している。GCMDやそのパートナーと協力して、海運業界におけるさまざまな脱炭素化ソリューションの広範な社会実装を実現する」とコメントした。
GCMDは非営利組織として2021年8月1日に設立され、シンガポール海事港湾庁(MPA)、BHP、BW Group、Eastern Pacific Shipping、Foundation Det Norske Veritas、Ocean Network Express、Seatrium、bp、Hapag-Lloyd、そして日本郵船と戦略的パートナー契約を締結している。この他、GCMDの運営に関与する14のパートナー、各プロジェクトに関与する80超のパートナーがいる。