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リー首相、「(市中感染者数さらに減少すれば)6月13日以降制限緩和できる」

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リー・シェンロン首相は2021年5月31日午後4時から、COVID-19の状況と今後の展望について演説した。演説は生放送された。

リー首相は、最近3週間の厳戒態勢に関して「Tan Tock Seng病院とチャンギ空港でCOVID-19の新たな感染クラスターが確認され、市中での症例も見られるようになり、地域的な広がりを示唆していた。そのため、フェーズ3からは後退せざるを得なかった」と説明したうえで、「皆の協力のおかげで、毎日の感染者数は減っている。新たなスーパー・スプレッダーや大規模なクラスターが発生しない限り、私たちはこの感染症をコントロールできるだろう。あと1週間ほどではっきりする。このまま状況が改善され、市中の感染者数がさらに減少すれば、6月13日以降は制限を緩和できるはずだ」と述べた。

また、COVID-19ウイルスの感染力の強い変異種が世界で拡大していることに対して、「検査、接触者の追跡、ワクチン接種をより多く、より早く行わなければならない」と心構えを述べた。

感染者との接触者の追跡に関しては「これまでの経験から、身近な人が感染した場合、同居家族にも感染する可能性が高いことが分かっている。今後は一次接触者を特定した場合、その人を隔離して検査をするだけでなく、その家族にも通知して検査を行う。一次接触者が陽性か否かの結果を待たずに、その家族も直ちに隔離する。後日、一次接触者が陰性であれば、その家族を隔離から解放する。しかし、もし1次接触者が陽性であった場合、その家族を早く隔離していることで貴重な時間を節約できる」と、より積極的なアプローチをとることを説明した。

ワクチン接種に関しては、「2012年12月に開始して以来、順調に進んでいる。医療従事者や現場で働く人たち、45歳以上の人たちの大部分が少なくとも1回目の接種を受けている。現在、40~44歳までの人たちへのワクチン接種が進められている。今後2カ月間、ワクチンはさらに迅速に供給される」と現況を報告し、今後は学生、39歳以下の若年層へと進めていくことを説明した。

リー首相は、「New Normal(新たな日常)」のイメージも説明した。この中で、「私はCOVID-19がなくなるとは思わない。COVID-19は人類の中に残って風土病となり、このウイルスは今後何年にもわたり世界の人口の一部で循環を続けるだろう。世界的な大流行はいつかは収まるが、シンガポールでも時折、COVID-19の小規模な流行が見られることになる」と述べた。

その上で、「New Normalの中で、私たちはウイルスがいても生活を続けることを学ばなければならない。私たちの目的は、コミュニティ全体の安全を守ることだが、たまに感染する人がいることも受け入れなければならない。私たちは、一般的なインフルエンザやデング熱を公衆衛生上の措置や個人的な予防措置によって管理している。COVID-19はワクチン接種で完全に予防することはできないが、ワクチン接種により感染可能性はかなり低くなる。また、ワクチンを接種したにもかかわらず感染した場合でも、重症化する可能性はかなり低くなる」と述べた。

そして、「New Normalでは、ワクチンを接種し、場合によっては毎年ブースターショットを受けることになる。頻繁に検査を受けることになるが、これは迅速で簡単なことだ。私たちは安全に国境を再開する。観光客は再びシンガポールを訪れる。シンガポール人は、特にワクチンを接種していれば、COVID-19が十分にコントロールされている国に再び旅行できるようになる。そして最終的には、少なくとも屋外ではマスクをせずに行動できるようになる。今のところ、この幸せな状態からは少し離れているが、正しい方向に向かっている」と述べた。

最後に、「厳戒態勢は、あと2週間続く。一人ひとりの努力が大切だ」と強調し、演説を締めくくった。

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