富士通は2019年4月2日、シンガポール海事港湾庁(MPA)と進めてきたシンガポール海峡の海上交通リスクを分析する実証実験を通じて、AIを活用した船舶のニアミス予測技術の有効性を確認したと発表した。
富士通研究所が開発したAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を、海上交通管制業務で船舶情報を集約して船舶に必要な情報を提供するために使用されるVTS(Vessel Traffic Services)システムに適用することで、シンガポール海峡のような海上交通量の多い海域でも、船舶の交通状況・情報を分析し、動的衝突リスクホットスポットを検知・予測し、航行の安全性向上に繋げることができる。
実験では、人間が見落としがちな衝突リスクも正確に検知し、約15分前までに警告したことで、リスク回避に向けた具体的なアクションが可能だったという。
富士通は2020年までに、同技術を取り入れた海上交通管制や運航船舶向け安全航行支援ソリューションの提供を目指す。