NECは、NECエナジーソリューションズ(本社・米国)、NECアジアパシフィック(同・シンガポール)とともに、シンガポールの大手電力会社SPグループのSingapore District Cooling(SDC)社に出力400kW、容量400kWhの大型蓄電システム(Grid Storage Solution、GSS)を提供した。SDC社が運用するマリーナベイ地区の冷房設備向けに納入され、稼働を開始している。2019年9月27日発表した。
提供したGSSは、蓄電システム(電池部)と出力変換システム、これらをコントロールするソフトウェアで構成する。
同地区の冷房システムは、商業ビル内の配管に冷水を循環させることで23棟のビルに効率的な空調を提供している。納入したGSSにより、蓄電システムに蓄えた電力を最適なタイミングで利用することで、水を冷却するための電力需要の変動を緩和し、電力系統の安定性を維持できる。
また、冷房設備のインテリジェント制御アルゴリズムと連携して、電力系統における周波数や電圧などの電力品質を維持するアンシラリーサービスの提供もできるという。
NECにとってシンガポールで初めての蓄電システムのプロジェクトで、冷房設備が持つ高度な予測分析とインテリジェント制御アルゴリズムと連携するプロジェクトとしても初だという。