出光興産は2023年4月21日、原油の海上輸送中の温室効果ガス排出削減を目的に、100%出資子会社の出光タンカーが所有・運航する大型原油タンカー(VLCC)“IDEMITSU MARU”(載貨重量:300,433MT)においてグループ初のバイオ混合燃料を使用した試験航行に成功した、と発表した。
今回の試験航行では、出光タンカーが出光興産のシンガポールの100%出資子会社Idemitsu International(Asia)Pte.Ltd.からシンガポール/中東間の航路向けにFAME B24のバイオ混合燃料約300MTを購入し、4月にシンガポールで補油を実施した。
バイオ燃料は、動植物などの生物資源(バイオマス)や廃食用油を原料の一部とする燃料で、既存の船舶エンジンインフラをそのまま活用できる。また、燃焼時には二酸化炭素(CO2)が発生するが、原料となる植物の生長過程でCO2を吸収することから実質排出量ゼロと見なされ、脱炭素に向けた次世代燃料の有力候補の一つとされている。
今回使用したバイオ混合燃料は通常VLCC燃料として使用しているVLSFO(低硫黄重油)対比で約15~20%程度のCO2を削減できるという。