シンガポール航空とOpenAI(本社:米国)は、エアライン向けの先進的生成AIソリューションの開発・実装のための協業を開始した。OpenAIにとっては大手航空会社との初の協業となる。2025年4月28日発表した。
両社はまず、シンガポール航空ウェブサイト上の既存のAI搭載バーチャルアシスタントを改善するために協業する。シンガポール航空は、フライト推薦機能などの既存機能を基盤としてAI搭載バーチャルアシスタントの改良を進め、旅客が旅行の計画、予約、管理を行う際に、よりシームレスで直感的な体験を提供できるようにする。
併せて、シンガポール航空の従業員は、日常業務を自動化し、過去の運用から得た知見を活用して、業務におけるガイダンスを提供するために設計され、強化されたAI搭載バーチャルアシスタントを活用することが可能になる。OpenAIの次世代マルチモーダルAI機能を組み込んだこのツールは、従業員による必要な情報へのアクセスと処理を支援し、より迅速な意思決定、より優れた問題解決、および重要なタスクへの集中を可能にするという。
さらにシンガポール航空は、問題解決能力を備えたOpenAIの高度なAIモデルを既存のツールに統合することで、運航プロセスの最適化も目指している。これにより、規制要件、運航上の制限、人員の稼働率を考慮しながら、乗務員のスケジューリングなどの複雑なタスクの意思決定を支援する。
OpenAIの国際部門マネージングディレクターであるオリバー・ジェイ氏は「シンガポール航空と協力し、先進的なAIがどのように旅行体験を向上させ、従業員に力を与え、複雑な業務を最適化できるかを探求できることを嬉しく思う」とコメントした。