商船三井のグループ会社のMOL ENERGIA PTE.LTD.は、タイ素材最大手のサイアム・セメント・グループ社の完全子会社のSCGケミカルズ社(本社:タイ、SCGC社)との間で、2025年1月24日に契約締結済みの3隻に加え、追加2隻の新造液化エタン専用船(Very Large Ethane Carrier、VLEC)の長期定期用船契約を3月17日に締結した。
VLECは約80,000m3以上の積載能力を持つマイナス約92度の液化エタンを輸送するための専用船で、現在世界で竣工または発注済の約90隻のうち、今回の契約により商船三井グループが管理・運航するVLECは14隻となる。
今回追加で新造する2隻は10万m3のVLECで、1月に契約締結済みの3隻と同じくSAMSUNG HEAVY INDUSTRIES CO.,LTD.(三星重工業、本社:韓国)で建造し、2028年の竣工を予定する。エタン二元燃料推進機関を搭載し、従来の重油燃料船と比較し温室効果ガス、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を抑制できる仕様としている。
SCGC社は1983年設立のタイ最大級総合石油化学企業。ベトナム、インドネシア、タイに戦略拠点を持ち、オレフィンの上流生産からポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルの3つの主要プラスチック樹脂の下流生産まで、幅広い石油化学製品を提供している。
今回の契約締結により、商船三井のSCGC社向け新造VLECは合計5隻となった。SCGC社がベトナムに保有する石化プラントで使用するエタンの輸送需要を商船三井グループが一括して担う。
新造VLECの概要は下記の通り。
【主要寸法】全長230m、船幅36.6m、満載時喫水11.9m
【貨物艙・容量】GTT Mark IIIメンブレン、100,000m3
【推進機関】二元燃料(重油・エタン)ディーゼルエンジン
【 造船所 】三星重工業巨済造船所
【竣工予定】2028年上旬