静岡県の川勝平太知事は2019年8月7日の定例会見で清水港におけるシンガポールへの農産品輸出促進に関する取り組みについて説明した。
清水港では、静岡県が策定し、昨年2月に国交省に認定された農水産物輸出促進計画に基づき、国庫補助事業を活用して冷凍・冷蔵コンテナの電源供給設備を増設するなど、農水産物の輸出環境の整備を進めている。
今回、国交省が清水港をモデル港として高規格冷蔵コンテナを用いた農産物海上輸送試験を実施することになり、8月6日に第1回目の輸送試験としてコンテナ船がシンガポールに向けて出港した。
川勝知事は、「今回の輸送試験ではJA静岡経済連が輸出者となり、県産アメーラトマト、クラウンメロンなど14品目と、山梨県産シャインマスカット、桃、種なしピオーネの3品目、長野県産種なし巨峰、白菜、ほうれん草、キャベツ、レタスなど6品目の計31品目を輸送した。輸送試験は今回を含めて4回実施する予定だ」と概要を説明し、「静岡県でもJA静岡経済連と連携して、県内を初めとした高品質な農産物を継続的に清水港から輸出する体制を構築するため、各産地から清水港までの効率的な集荷体制の検討を始めている。また、県の海外駐在員事務所による現地での需要創造、販路開拓支援を行うことにしている」と述べた。
また、「2020年内に中部横断自動車道の静岡県と山梨県を結ぶ区間の全線開通が予定されており、完全に甲府まで一体となる。山梨県、長野県をも視野に入れて、海なし県の特産農産物をも貨物として取り扱うことで、清水港を利用した農産物輸出のさらなる拡大を目指していく」と抱負を述べた。