進出・出資・撤退

CC Innovation Singapore社、東南アジアの2社にベンチャーデット実施

投稿日:

北國フィナンシャルホールディングスは2025年2月13日、グループのCC Innovation Singapore Pte.Ltd.がシンガポールで長時間エネルギー貯蔵(LDES)ソリューションを開発・展開するVFlow Tech Pte.Ltd.及びインドネシアで非効率的なエビ養殖現場をサステナブルな産業へと変革することを目指すJala Tech Pte.Ltd.に対してベンチャーデットを実施したと発表した。融資額は非公表。

CC Innovation Singapore社が東南アジアのスタートアップに融資を行うのは初めて。

発表によると、VFlow Tech社はシンガポールのスタートアップで、開発・販売するバナジウムレドックスフロー蓄電池(VRFB)は独自の流路設計と添加物の配合メソッドにより競合より10%程度高効率で、可燃性物質の不使用により安全性が高く、電解液の経年劣化がないため長期間使用できるという。

VFlowTech社が開発するVRFB

Jala Tech社はエビ養殖産業の課題解決に特化したマーケットプレイスと養殖管理用ソリューションを提供するインドネシア発スタートアップで、養殖池の水質を的確に検知するデバイスと取得データを可視化するプラットフォームを開発・提供している。独自のデータベース・AIアルゴリズムを活用したエビの成長・収穫予測、養殖場の異常検知・レコメンド機能も備え、インドネシア全域の養殖池運営の最適化を支援している。

両社はともに、北國銀行グループが出資したUntroD Capital Asia Pte Ltd(シンガポール)の出資先という。

東南アジアでは近年、スタートアップの数や資金調達の総額が大幅に増加している。一方で、資金調達手段としてエクイティに依存する傾向が強く、米国や日本のように自社株式を希薄化させずに資金を調達する方法が模索されており、特にハードウェア開発など多額の資金を必要とするディープテックベンチャーにおいてはベンチャーデットが注目されているという。

CC Innovation Singapore社は「今後も、ベンチャーデットの提供を通じて、東南アジアにおけるスタートアップの資金調達環境を多様化し、リスクを適切に管理しながら各社の事業成長や日本進出を支援していく」としている。

-進出・出資・撤退

Copyright© シンガポール新聞社 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.