進出・出資・撤退

パーソルHD、シンガポール子会社と米Kelly Services社の業務資本提携見直し

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パーソルホールディングスは2022年2月14日開いた取締役会で、シンガポールの子会社PERSOL ASIA PACIFIC PTE.LTD.と米Kelly Services Inc.との間で締結しているアジア・パシフィック地域における業務資本提携の見直しと、パーソルホールディングスとKelly Services社間の相互保有株式の解消を決議した。同日発表した。

パーソルホールディングスは2012年にKelly Services社と業務資本提携契約を締結。アジア・パシフィック地域における合弁会社を設立後、同地域で総合的な人材サービスを提供してきた。

近年、人材サービス業ではDX投資を含め事業環境が著しく変化し、より迅速な投資促進と経営管理体制が求められているなかで、パーソルホールディングスはアジア・パシフィック地域を引き続き成長市場と考えているが、Kelly Services社はスペシャリティ市場に経営資源を注力する方針に転換したことから、相互の経営資源の配分を検討した結果、業務資本提携を見直すことにしたという。

合弁会社の概要
【 名称 】PERSOLKELLY PTE. LTD.
【所在地】8 Marina View, #11-01 Asia Square Tower 1, Singapore
【代表者】Francis Koh
【事業内容】総合人材サービス事業
【資本金】2億2,900万シンガポールドル
【設立年月日】2017年6月20日
【決算期】12月決算
【純資産】2億2,280万5,000シンガポールドル
【総資産】2億4,757万6,000シンガポールドル
【出資比率】パーソルホールディングス:51%、Kelly Services社:49%

具体的には、パーソルホールディングスがKelly Services社保有分のPERSOLKELLY社株式のうち46.5%を1億1,900万米ドル(約140億円)で取得し、その後はPERSOLKELLY社株式の97.5%を保有する。Kelly Services社は引き続きPERSOLKELLY社株式2.5%の保有を維持する。

今回の業務資本提携の見直し後、当面の間、PERSOLKELLY社は引き続きPERSOLKELLYブランドを使用する。

今回の業務資本提携の見直し後、当面の間、Kelly Services社はアジア・パシフィック地域でPERSOLKELLY社と競合する事業を行わない競業避止義務を負う。パーソルグループは何らの競業避止義務も負わない。

また、パーソルホールディングスはKelly Services社A種普通株式157万6,169株及びB種普通株式1,475株を、Kelly Services社はパーソルホールディングス普通株式910万6,800株(発行済み株式総数に占める割合 3.92%)を保有してきたが、今回の業務資本提携の見直しにより、相互保有株式の持合を解消することを決めた。

パーソルホールディングスが保有するKelly Services社A種普通株式157万6,169株及びB種普通株式1,475株については、2月14日付けでKelly Services社と株式譲渡契約を締結し、Kelly Services社に売却した。パーソルホールディングスは株式譲渡により約30億円の売却代金を受領した。

Kelly Services社が保有するパーソルホールディングス普通株式910万6,800株については、Kelly Services社は金融機関を通じて売却する予定。

なお、両社は今後も友好的な関係を維持することを相互確認しているという。

パーソルホールディングスは、今回の業務資本提携の見直しが連結業績へ与える影響は軽微としている。

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