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鹿島建設・パナソニック、新社屋で空間や設備機器が働く人に与える効果を実証

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鹿島建設とパナソニック エレクトリックワークス社は、2023年8月4日に開業した鹿島のシンガポール新社屋「The GEAR」に、空間や設備機器が働く人に与える効果を実証する「Co.worXlab」(コワークスラボ)を開設した。

鹿島は、シンガポール内に点在していたグループ会社を「The GEAR」に集約した。建設・開発の事業部門と技術開発部門とのシナジー効果をより一層発現させ、新たなビジネス創出を目指す。

また、「The GEAR」内に鹿島技術研究所のシンガポールオフィス「KaTRIS」(Kajima Technical Research Institute Singapore)を開設し、シンガポール国内の政府機関や大学、民間企業などとのオープンイノベーションを推進する方針を掲げている。

パナソニック エレクトリックワークス社では、空間ソリューション事業推進の一環として、Well-beingなオフィス環境づくりを目指し、光・音・映像・空気などを用いた空間のパッケージ提案を推進している。

両社は今回、「The GEAR」の3階フロアに、空間ソリューションをベースとした、社内外のステークホルダーも交えた新たな価値を創出する共創スペース「Co.worXlab」を開設し、空間や設備機器が働く人に与える効果を多様な国籍の人が集まるシンガポールで多角的に実証することとした。また、各設備機器から取得可能なデータを各社が利活用することで、今後の研究開発に活かしていく。

導入する6つの空間の概要は下記の通り。

①会議を活性化する会議室
イメージングセンサ(映像)・マイクセンサ(音声)でデータを計測・解析し、会議の進行に合わせた制御(照明・空調・気流・香り)で会議を活性化

②一人ひとりに最適化可能な個人ブース
照明・空気・音で、使用者の様々な好みのモード(集中とリラックスなど)を提供する高付加価値な個人ブース

③集う人のニーズに合わせた快適コミュニケーションスペース
ちょっとした打合せやコミュニケーションの場として照明・気流・音などの空間を制御し、生産性向上を図るオープンスペース

④自然を感じながら快適に運動できるリフレッシュ空間
映像に連動した気流や香りによる空間制御で、ユーザーの好みの運動を楽しく行えるリフレッシュ空間

⑤清潔で快適な落ち着くミーティングブース
包み込まれるような心地よい空間で一定の空気循環による空間制御で、快適に落ち着いて打合せできるミーティングスペース

⑥心地よい清涼感を感じる屋外ミスト
極微細ミスト噴射によって屋外空間に集う人たちに快適な清涼感を与える屋外スペース

鹿島建設の担当者はシンガポール新聞の取材に対し「『Co.worXlab』は『The GEAR』と同時に開業した。会議を活性化する会議室では、マイクやカメラユニットで映像・音声を録画・録音する。これらの映像・音声は匿名加工情報として扱われ、個人を特定できない形で情報を取得する。『The GEAR』の当該施設を利用する全従業員から個人情報取得に関する同意を得た上で実証実験を開始する。社外からの来訪者には、1階ロビーの登録機(VMS、ビジターマネジメントシステム)での顔認証登録の際に、取得データの研究目的使用に関し許諾を伺う。拒否した方のデータは研究目的で使用しない。顔認証のたびに伺うので、都度伺うことになる」と答えた。

※関連記事「鹿島建設、シンガポールの自社ビル『The GEAR』が開業、約200人が勤務

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