気候変動(低・脱炭素)

丸紅・岩谷・関電・Keppel・Stanwell、豪州グリーン水素製造PでFEED実施

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丸紅、岩谷産業、関西電力の3社は、豪州クイーンズランド州政府所有のエネルギー・インフラ企業Stanwell Corporation Limited(CEO:Michael O’Rourke)、シンガポールを拠点とするエネルギー・インフラ企業Keppel Infrastructure Holdings Pte.Ltd.(CEO:Cindy Lim)と共に、クイーンズランド州グラッドストン地区において再生可能エネルギー由来のグリーン水素を大規模に製造し、液化して日本へ輸出及び同地区のアンモニア合成施設へ供給、豪州国内で一部地消もするCentral Queensland Hydrogen Project(CQ-H2プロジェクト)について、概念設計・事業化調査後に実施する各商務・財務、契約に係る検討を含む基本設計作業(Front End Engineering Design、FEED)を共同で実施することに合意し、2023年5月26日に契約を締結した。

FEED総額は1億1,700万豪ドル(約105.3億円)を想定し、豪州再生可能エネルギー庁(ARENA)から2,000万豪ドル(約 18.0億円)の補助を受ける予定。

CQ-H2プロジェクトは、2028年頃に200t/日(約7万t/年相当)、2031年以降に800t/日(約26万t/年相当)のグリーン水素製造規模を想定し、製造したグリーン水素を液化・貯蔵する施設も開発する。

製造された液化水素は、引取先候補である関西電力が姫路ガス火力発電所や周辺の需要家への供給を検討する。

また、一部は2028年頃からKeppel Infrastructure社及び豪州の化学メーカーIncitec Pivot Limitedが検討を進めているアンモニア合成施設に供給される計画となっており、Keppel Infrastructure社はシンガポールで新たに建設中の自社の水素混焼発電所向けだけではなく、豪州国内の需要先に向けてもグリーンアンモニアの供給を検討する。

グリーン水素の製造規模は、引取先候補の関西電力及びKeppel Infrastructure社の希望に応じて段階的に供給能力を拡大していく計画という。

クイーンズランド州ブリスベンで行われた契約の調印式には、同州政府のミック・デ・ブレンニ大臣、ARENAのアレキサンドラ・マッキントッシュ役員、胡摩窪淳志・在ブリスベン日本国総領事が立ち会った。

調印式(左から関西電力・荒木誠執行役常務、丸紅・横田善明常務執行役員、クイーンズランド州政府・Mick de Brenni水素大臣、Keppel Infrastructure社・Cindy Lim CEO、岩谷産業・津吉学取締役専務執行役員、Stanwell社・Michael O'Rourke CEO)

グラッドストン地区は、豪州連邦政府の水素ハブにも指定された産業集積エリア。日本までの距離、豊富な再生可能エネルギー、整備された大型港湾といった点からグリーン水素の製造及び輸出に適しているという。

また、クイーンズランド州政府は2035年までに25GWの再生可能エネルギーを導入する計画を2022年に発表しており、グリーン水素製造に必要不可欠な再生可能エネルギー電源の開発と送配電網の拡張が進む予定。

丸紅、岩谷産業、関西電力及びStanwell社は、2021年から大規模なグリーン液化水素の製造及び日本への輸出に向けた事業化調査(FS)を行ってきたが、この調査結果を踏まえ、最終投資判断に向けた検討を本格的に実施すべく、新たにグリーン水素の引取先候補であるKeppel Infrastructure社を交え、5社でFEEDを進めることに合意した。

FEEDでは、最終投資判断に必要な検討を網羅する為、各種設計・精緻なコスト検討に加え、事業化に必要な各種契約書の作成、建設・開発に向けた許認可取得、資金調達方法の確定も行う。

丸紅の担当者は、シンガポール新聞の取材に対し、「再生可能エネルギー由来電力を使用した水電解により水素を製造する。FEED期間は約2年弱を予定しており、2024年度後半の一部FIDを目指す予定だ。液化水素の運搬船は、川﨑重工業が開発している運搬船を含め、幅広く検討を行う予定である」と答えた。

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