気候変動(低・脱炭素)

ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム設立、AirCarbon社とMOU

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ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム(理事長・馬奈木俊介(九州大学教授)、NCCC)は2023年4月10日、東京都内およびオンラインで設立総会を開催した。

設立総会の様子

同コンソーシアムは、カーボンクレジット市場の活性化を通じた脱炭素社会の実現を目的に、森林・農地・海洋資源など自然資本による二酸化炭素(CO₂)の吸収量をテクノロジーの利活用を通じて、測定・評価、クレジット化することにより、カーボンクレジット市場の活性化を促進していく。

また、同日、シンガポールに本社を置き、カーボンクレジットを扱うAirCarbon Pte LtdとMOU(基本合意書)を締結した。

発表によると、AirCarbon社は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局および、UNFCCC認証排出削減量(CER)を通じたカーボン・オフセットを促進するため世界初の完全デジタル炭素取引所であるAirCarbon Exchange(ACX)と提携している。

NCCCは、「MOU締結により、海外案件を含めて協力関係を構築し、アジア太平洋地域における環境資本増大の加速化に寄与する取り組みの拡大を狙う」としている。

NCCCは、参画企業の損害保険ジャパンが構築した国内初のCO₂保険制度、ソフトバンクが提供する農業AIブレーン「e-kakashi(イーカカシ)」、Green Carbonが開発したGHG削減量や販売金額が推計できるクレジット創出量計測ツールなど、最新テクノロジーを活用した精度の高いCO₂吸収の可視化の取り組みを開始しているという。

NCCCの担当者は、シンガポール新聞の取材に答え、「日本政府はCO₂排出量を抑制するために2023年度からカーボンプライシング制度を開始予定だ。企業に対し、削減目標を達成できなかった分を排出量取引によって市場から買い取らせる形で金銭的は負担を求めるようになる。一方、ACXは企業間で排出権を取引できる仕組みで、政府主導ではなく企業主導で進められている。したがって、カーボンプライシング制度とACXにおける取引は、将来的に相互補完的な関係になる可能性があると考えている。NCCCは、2024年に既存メジャークレジットでのNCCC事業の認証、2025年にNCCC独自のカーボンクレジット認証の創出・販売開始、を目指している」と補足した。

◇ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム
【所在地】九州大学都市研究センター(工学研究院内)

◇AirCarbon Pte Ltd
【所在地】The Centrepoint, 176 Orchard Rd, #05-05, Singapore 238843
【設立年】2019年

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