日本製鉄と三菱商事とエクソンモービルのシンガポールの関連会社ExxonMobil Asia Pacific Pte.Ltd.(アジアパシフィックLow Carbon Solutions事業プレジデント:Irtiza Sayyed)は2023年1月25日、豪州などの海外アジアパシフィック圏内でのCO2回収・貯留(Carbon Capture and Storage、CCS)およびCCSバリューチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書を締結した。
同覚書に基づき、3社は日本製鉄の国内製鉄所から排出されるCO2回収に関する調査や必要な設備開発の評価を行い、ExxonMobil Asia Pacific社による豪州およびマレーシア・インドネシアをはじめとする海外アジアパシフィック圏でのCO2貯留先の調査、および三菱商事による海外へのCO2輸送及びCCSバリューチェーン構築に向けた評価を実施する。
日本でのCO2回収・海外でのCO2貯留に関するCCSバリューチェーン構築の具体的な検討は世界で初めての取組みとなる。
日本製鉄は、2021年3月公表した中長期経営計画の中で「カーボンニュートラルビジョン2050」を打ち出し、その実現のためにCCSを重要な技術の一つと位置付けている。今回3社での取組みを通じて、製鉄所から発生するCO2を海外にて地層貯留を行うための貯留場所の確保や貯留インフラ・法整備の検証、またコストの妥当性の検討等、早期社会実装に向けて積極的に推進していく。
三菱商事は、2021年10月策定した「カーボンニュートラル社会に向けたロードマップ」および2022年5月公表した「中期経営戦略2024」においてエネルギートランスフォーメーション(EX)を重要な取組みと位置付けている。今回3社での取組みを通じて、海外へのCO2の輸送およびCCSバリューチェーン構築を推進していく。
ExxonMobil Asia Pacific社は、2021年、低炭素化が困難な業界に対して環境負荷の低い技術を提供すべくLow Carbon Solutions事業を設立。低炭素技術の開発、活用を推進している。