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ヨシムラFHD、網走のホタテ企業を子会社化、シンガポール子会社とシナジー

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ヨシムラ・フード・ホールディングス(東京都千代田区)は2022年12月27日開いた取締役会で、マルキチ(北海道網走市)の発行済株式70%を取得し、子会社化することを決議した。同日契約を締結した。取得価額はマルキチの普通株式21億円、アドバイザリー費用等(概算額)6,800万円の合計(概算額)21億6,800万円。株式譲渡実行日は2023年3月1日を予定する。

マルキチは、ホタテを中心に、サケ、イクラ、カニ等の製造加工・販売を行う企業で、オホーツク海で地撒き方式で育てられたホタテ等、新鮮で高品質な素材を調達し、自社工場で独自の加工技術と高度な鮮度管理により加工・販売を行っている。自社4工場は、すべてHACCP認証工場で、業界では数少ない対EU輸出水産食品取扱施設でもあることから衛生管理に定評があり、日本産ホタテの需要が拡大している海外への販売を積極的に行っているという。

ヨシムラ・フード・ホールディングスは株式取得の理由について、▽シンガポールで水産品卸を行うグループ企業Sin Hin Frozen Food Private Limitedは、ホタテを主力製品のひとつとして年間約170トン以上購入しており、現地大手スーパー等へEmeraldブランドとして販売を行っている。Emeraldブランドは現地で一定の知名度があるため、マルキチの安定したホタテ供給力を活かした拡販が可能となり、一方でマルキチは海外販路をより強固なものとできるため、両社の業績向上を図れる可能性がある ▽同じくシンガポールで水産品加工販売を行うグループ企業PACIFIC SORBY PTE.LTD.においても、マルキチの水産品を取扱う等、ヨシムラ・フード・ホールディングスが持つアジアにおける販路を活用した拡販ができる可能性がある ▽今後も海外を中心に需要の拡大が見込まれる北海道産ホタテを仕入れる権利、それを加工する技術と生産設備、輸出に必要となる品質認証を保有するマルキチをグループ化し、ヨシムラ・フード・ホールディングスが持つ経営管理力や資金力、シンガポールを中心とした海外販路やネットワークを組み合わせることで、マルキチのさらなる業績拡大を図ることができる――と判断した。

なお、ヨシムラ・フード・ホールディングスがマルキチの発行済株式70%を取得後も、代表取締役の根田俊昭氏は引き続き30%を保有するとともに代表取締役社長を継続する。

株式取得にあたり必要となる資金は、銀行借入により賄う予定。2024年2月期以降の連結業績に与える影響は現在精査中という。

◇マルキチ
【 所在地 】北海道網走市北三条東二丁目5番地2
【 代表者 】代表取締役 根田 俊昭
【事業内容】冷凍ホタテ貝柱他帆立製品、鮭・鱒製品及びサケイクラ等鮭鱒魚卵、カニ類製品、冷凍食品の製造及び販売
【 資本金 】3,000万円
【設立年月日】1988年8月
【 大株主 】
(取得前)根田 俊昭 90.0%、他個人1名 10.0%
(取得後)ヨシムラ・フード・ホールディングス 70.0%、根田 俊昭 30.0%

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