川崎汽船は2022年4月6日、シンガポール港におけるShip-to-Ship方式での舶用アンモニア燃料供給の実現を目指して2021年3月以来A.P. Moller - Maersk A/S、Fleet Management Limited、Keppel Offshore & Marine、Maersk Mc-Kinney Moller Center for Zero Carbon Shipping、住友商事、American Bureau of Shippingの6社が進めている共同研究に参画すると発表した。同日付で参画するシンガポール海事港湾庁(MPA)を加えた8社で覚書に署名した。
アンモニア燃料は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料であるため、国際海事機関(IMO)の2050年のGHG削減戦略目標「2008年比GHG総排出量50%削減」に大きく貢献する次世代舶用燃料として注目されている。
共同検討では、参加メンバーがそれぞれの貢献可能領域において、アンモニアバンカリング船の設計開発、海上輸送や貯蔵など関連するインフラを含むShip-to-Ship 方式での船舶向けアンモニア燃料供給に向けたサプライチェーンの構築を検討する。
また、シンガポールの関係当局や専門家の協力を得て、アンモニアバンカリングのオペレーション・ガイドラインや法規制の整備に向けて取り組む。
川崎汽船は2007年以来10年以上にわたりアンモニア運搬船の保有・運航事業に従事し、アンモニア取扱に関するノウハウを蓄積してきた。また、シンガポールで初となるShip-to-Ship方式でのLNG 燃料供給事業への関与を通じて、シンガポールのガイドライン・法制度を踏まえた舶用燃料供給船の管理ノウハウを持っている。
今後は「アンモニア燃料の国際規則の動向にも注視しつつ、具体的にアンモニア燃料船の検討を進めていく予定」としている。
参加メンバー
・A.P. Moller – Maersk(本社: デンマーク)
・Fleet Management Limited(本社:香港)
・Keppel Offshore & Marine(本社:シンガポール)
・Maersk Mc-Kinney Moller Center for Zero Carbon Shipping(本部:デンマーク)
・住友商事(本社:東京都千代田区)
・American Bureau of Shipping(本部:米国)※2021年10月加入
・シンガポール海事港湾庁(所在地:シンガポール)
・川崎汽船(本社:東京都千代田区)