住友商事は、シンガポールのKeppel Offshore & Marine Ltd(Keppel O&M社)と、Keppel O&Mの子会社Keppel FELSを通じて、シンガポールにおける多様なアンモニア燃料事業の実現に向けた戦略的な提携に関する覚書を締結した。シンガポールにおいてアンモニア燃料のバリューチェーンを構築するとともに、国際海運の脱炭素化とシンガポールのCO2排出量実質ゼロの達成に貢献する。2021年12月27日発表した。
住友商事とKeppel O&M社は2021年3月よりシンガポールでの船舶向けアンモニア燃料供給の事業化に向けた共同検討を開始しており、今回の提携により、2020年代半ばの事業化を目標にアンモニア燃料供給船建造の検討や関係当局との協議などを加速させる。
また、シンガポールはCO2排出量実質ゼロの達成に向け、発電ポートフォリオのシフトを目指しているなかで、両社はアンモニアを用いた洋上火力発電などの導入を検討する。
アンモニアは水素と窒素の化合物で燃焼時にCO2を排出しない。また、水素に比べて液化・運搬コストが低いため、水素のエネルギーキャリアとしての役割も期待されている。
Keppel O&M社のTan Leong Peng Managing Directorは、「Keppel O&M社は、エンジニアリングの専門知識、バンカリングの経験、新造船開発能力を活用しながら、パートナーと協力し、海事産業のためのアンモニア燃料供給エコシステムを開発している。また、アンモニアの研究を応用して、次世代燃料発電の周辺ソリューションを推進している。これらの取り組みは、次世代エネルギー分野で機会を掴むことも掲げたKeppel Corporationの『Vision 2030』に沿ったものだ」とコメントした。