商船三井がトルコ発電船事業企業Karpower International B.V.社と取り組む“KARMOL”ブランドでのFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)と発電船を組み合わせたLNG発電船プロジェクト第一号案件のセネガル向けプロジェクトで用いられるFSRU“KARMOL LNGT POWERSHIP AFRICA”が2021年5月31日、セネガルのダカールに到着した。西アフリカ初のFSRUとなった。両社が6月17日発表した。
“KARMOL LNGT POWERSHIP AFRICA”は両社の合弁会社が発注し、シンガポールのSembcorp Marine Ltd.で改造工事が行われ、2021年3月15日竣工した。シンガポール沖で性能試験を実施した後、シンガポールからセネガルに曳航された。
LNG発電船プロジェクトでは、LNG船で運ばれてくるLNGをFSRUで再気化して発電船に送り、発電船が受け取ったガスを燃料に発電する。発電船の燃料を従来の重油からLNGに転換することができ、陸上にLNGおよびLNG受入基地がない国にもLNG発電による電力供給が可能となる。セネガルプロジェクトが世界初という。
発表によると、“KARMOL LNGT POWERSHIP AFRICA”は今後、2019年10月から重油焚きで操業を行っている発電容量235 MWの発電船“Karadeniz Powership Ayşegül Sultan”にガスパイプラインで接続される。一連のコミッショニング作業を経てFSRUと発電船を一体運用したガス焚き発電の操業に移行する。
同発電船はセネガルの電力需要の約15%に当たる220MWを安定的に発電しているが、“KARMOL LNGT POWERSHIP AFRICA”と接続することでより経済的で、環境負荷の低いエネルギー供給を実現する。
◇KARMOL LNGT POWERSHIP AFRICA
【 全長 】272.00m
【 全幅 】47.20m
【LNGタンク】モス型
【LNG貯蔵能力】125,470m3