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インテグリカルチャー、シンガポールShiok Meats社とエビ細胞培養肉研究開始

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細胞培養ベンチャーのインテグリカルチャー(東京都文京区)は、シンガポールのShiok Meats Pte.Ltd.(Shiok社)と共同で、エビ細胞培養肉の共同研究を開始した。2020年7月20日発表した。

インテグリカルチャーは2015年10月設立。発表によると、インテグリカルチャーの「食品グレード培養液」と「汎用大規模細胞培養技術(CulNet System)」は、牛と家禽の細胞で有効性が確認されているといい、新たに甲殻類の細胞について研究を行う。長期的にはエビの細胞培養肉を安価で大規模に製造することを目指す。

細胞培養肉の原料である培養液は、タンパク質、糖質、脂肪、ビタミン、ミネラル、血清成分から成り、特に血清成分の低価格化が培養肉の実用化の鍵だといい、同研究ではCulNet Systemの技術をベースに、血清成分を添加せずにエビの細胞を大量培養する技術を開発する。

Shiok Meats社は、幹細胞の研究者であるDr.Sandhya SriramとDr.Ka Yi Lingが共同で設立した東南アジア初の細胞農業企業で、細胞から食肉を製造することによる、魚介類や食肉の提供に向けて、甲殻類の細胞培養肉(エビ、カニ、ロブスター)に取り組んでおり、今回インテグリカルチャーが開発する同培養技術を活用して製造される培養エビ肉の2022年頃の商品化を目指す。

Dr Sandhya Sriram(CEO)は、「今回のコラボレーションと、(事前試験における)ポジティブな結果に興奮している。 インテグリカルチャーの最先端テクノロジーは、細胞培養の食肉産業で直面している高額な培地問題に対する価値ある解決策になると信じている。 Shiok Meats社は、世界初の甲殻類の培養肉会社であり、インテグリカルチャーのような日本の会社と協力して、持続可能でクリーンな肉製品の商品化を加速させていく」とコメントした。

CulNet Systemは、汎用性の高い細胞培養プラットフォーム技術で、動物体内の細胞間相互作用を模した環境を擬似的に構築する装置で、理論的にはあらゆる動物細胞を大規模かつ安価に培養可能という。

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