気候変動(低・脱炭素)

川崎汽船、FPSO操業・管理の知見獲得に向けシンガポールに技術者を派遣

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川崎汽船は2020年7月9日、マレーシアのエネルギー・サービス事業者Yinson Holdings Berhad(インソン社)の100%出資子会社Yinson Acacia Ltd及び住友商事と、ブラジル国営石油会社ペトロブラス社が開発するブラジル・リオデジャネイロ沖Marlim(マーリム)鉱区向け浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(Floating Production, Storage and Offloading、FPSO)の保有・傭船事業への出資参画に関する契約を締結した。同FPSOの安定操業後(2023年予定)、事業会社の株式約10%をYinson Acacia Ltdから取得し、同事業に参画する。同日発表した。出資金額は非開示。数十億円規模と見られる。

同FPSOは、ブラジル沖約150kmのカンポス盆地に位置するMarlim鉱区で、ペトロブラス社が行う油ガス田の再開発事業に利用される。現在、インソン社と住友商事は、ペトロブラス社との間で定期傭船契約および操業・保守契約を締結しているFPSO保有・傭船会社および操業保守会社に共同出資している。

インソン社、住友商事、川崎汽船は、2023年第1四半期の石油・ガス生産開始を目指すとともに、設備完工から25年の契約期間(延長オプション無し)にわたり運営に携わる。

川崎汽船にとって同事業はインソン社及び住友商事との2件目のFPSO協業事業で、技術者1人を今年度中に、インソン社が主導するプロジェクトチーム(シンガポール)に派遣し、建造段階から関わることで船会社としての知見をプロジェクトに活かすとともに、効果的にFPSOの操業・管理に関わる知見を獲得するための準備を進める。

シンガポールはKeppel等の改装ヤードもあるFPSO含むオフショア産業の一大拠点で、Yinson本社(マレーシア)から近いこともあり、Yinson社は今回のブラジル案件含む様々なプロジェクト管理をシンガポールオフィスで行っている。

Yinson Holdings Berhadの概要は下記の通り。

【 設立 】1983年(マレーシア証券取引市場上場)
【 本社 】KL Eco City, 59200 Kuala Lumpur, Malaysia
【事業内容】FPSO含むエネルギー関連アセットを通じたサービス提供
【保有FPSO数】6隻(2020年4月現在。建造中を含む)

洋上で石油やガスを生産し、タンクに貯蔵した上で、直接タンカーへの積み出しを行うFPSO。 提供・インソン社

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