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日本郵船・Seatrium社、アンモニア燃料アンモニア燃料供給船のAiPを取得

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日本郵船とSeatrium Limited(本社:シンガポール)をはじめとするパートナー企業のコンソーシアムは、共同で設計したアンモニアを燃料として稼働するアンモニア燃料供給船の基本設計承認(AiP)を日本海事協会(ClassNK)から取得した。日本郵船とSeatrium社が2025年2月25日発表した。

今回のAiP取得は、同アンモニア燃料供給船が安全性、技術、環境の各分野においてClassNKの基準に適合していることを証明するもので、船舶燃料としてのアンモニア実用化に向けた大きな一歩となった。また、同コンソーシアムが船舶代替燃料開発において世界をリードしていることを示した。

アンモニア燃料アンモニア燃料供給船のイメージ

同アンモニア燃料供給船は同コンソーシアムメンバーの強みを結集して設計された。その中でSeatrium社は海洋システムの開発における豊富な経験と技術力を活かして寄与した。Seatrium社のグループ会社のLMG Marin AS(LMG社)の持つ最先端の設計技術を用いて、リスク評価(HAZID: Hazard Identification Study)に必要な情報を提供し、最適なパフォーマンスや安全性、信頼性の実現によって同アンモニア燃料供給船がAiPの要件を満たすことに貢献した。また、LMG社が今回開発した、機関室内におけるアンモニア燃料エンジンの安全な取り扱い方法が、2024年12月に海事安全委員会109で承認されたアンモニアを燃料とする船舶の安全性に関する国際海事機関(IMO)の暫定ガイドラインに適合することも確認された。

同アンモニア燃料供給船には、同コンソーシアムが持つ技術の特徴であるIHI原動機のアンモニア燃料エンジンとTBグローバルテクノロジーズのバンカリングブームが組み込まれている。同アンモニア燃料エンジンは、温室効果ガスの排出を大幅に削減することができ、2024年8月に就航した世界初の商業用アンモニア燃料タグボート「魁」にも搭載されている。同バンカリングブームは、「緊急離脱装置(Emergency Release System)」を搭載しており、緊急時にアンモニア燃料船とアンモニア燃料供給船の接続を瞬時に切り離すことができる。

同アンモニア燃料供給船はシンガポールでの就航を見据えて設計された。シンガポール海事港湾庁(Maritime and Port Authority of Singapore、MPA)から導入検討のための評価を受ける予定という。就航すれば世界初のアンモニア燃料アンモニア燃料供給船となる見通し。

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