米国・穀物メジャーCargill(カーギル)は2019年6月20日、シンガポールで最初の食品イノベーションセンターを開設したと発表した。顧客が食品市場動向を予測し、栄養と食品安全のニーズに対応するための、研究開発や技術サービス支援などを行う。
同社は、アジア太平洋地域では既に北京と上海にイノベーションセンターを置いている。戦略的な立地と、政府が世界的なイノベーションの中心地としての整備に注力していることから、第3の拠点としてシンガポールを選んだ。シンガポールのイノベーションセンターでは、2019年末までに20人の食品科学者を雇用する予定で、世界に10あるイノベーションセンターと食品科学者2,000人のネットワークに繋ぐという。
カーギルの国際スターチ・甘味料・品質改良剤事業のプレジデントPeter Van Deursen氏は、「シンガポールの新しいイノベーションセンターによって、アジア太平洋地域の変化する消費者の動向により適した製品を製造し、再構築することが可能になる」と述べた。
シンガポールのコー・ポー・クーン貿易産業相は、「ビジネスで先を行くためには、発展するアジアの消費者ニーズと好みに合わせた製品を開発する必要がある。広範な地域間の接続性、強力な研究基盤、イノベーション活動のクラスター化により、シンガポールはカーギルなどの企業がアジアの成長機会を活用するのに適した位置にある」と述べた。