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明電シンガポール、セラミック平膜を用いた前処理プロセスの実証プラント建設

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明電舎のシンガポール現地法人Meiden Singapore Pte.Ltd.は、シンガポール公益事業庁(PUB)のトゥアス海水淡水化プラントにセラミック平膜を用いた前処理プロセスの実証プラントを建設する。2025年4月完成を予定する。2024年6月20日発表した。

トゥアス海水淡水化プラントは、逆浸透膜を用いた淡水化を行っており、その前処理となる不純物を取り除く工程にセラミック平膜を適用する今回の実証プラントは、トゥアス海水淡水化プラント内の既設加圧浮上設備を利用して設置される。処理能力は32,000m3/日。

従来、加圧浮上設備、ディスクフィルタ、限外ろ過膜の3工程を要した前処理プロセスをセラミック平膜ユニットによるろ過に簡略化することで、省エネルギー、省スペース化し、ライフサイクルコストも低減する。また、既存の加圧浮上設備水槽内にユニットを格納することにより、設置コストも最小限に抑える。

Meiden Singapore社はPUBと共同で2021年から海水淡水化の前処理プロセスにおける省エネルギー化に向けた共同研究を進めてきた。パイロットプラントの試験で良好な結果を得たことから実証プラントの建設に着手する。今回のプロジェクトは、シンガポール政府の水技術の検証や商業化を促進するための資金調達スキーム「リビングラボスキーム」のもと、Meiden Singapore社とPUBが共同出資する。出資額は非公表。

トゥアス海水淡水化プラントは2018年6月開所。PUBが所有・運営し、最大処理能力は136,400m3/日で、20万世帯の水需要を賄うことができる。

明電舎の担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「実証プラント建設後、1年以内で実証を進め、2025年の実用化を目指す」と答えた。

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