シンガポール航空は2019年6月18日、温度管理コンテナサービスのスカイセルと5月1日から3年間のリース契約を締結したと発表した。
同社は、スカイセルが2018年9月開始した低温流通体系「THRUCOOL(スルークール)」を温度管理徹底が必要な医薬品輸送需要の高いチューリッヒ—シンガポール—シドニー路線などに導入しているが、この「高品質低温流通ネットワーク」に6月13日から新たに蘭アムステルダムと越ホーチミンを加えたことにより、アムステルダムまたはチューリッヒからシンガポール経由でホーチミンまたはシドニーまでTHRUCOOLを利用できるようになった。
スカイセルのスイス製コンテナは、周囲の温度に関わらず、医薬品の温度が摂氏2~8度または15~25度に保たれる。また、コンテナにはIoTセンサーが取り付けられていてデータクラウドに接続し品質を確認することも可能で、THRUCOOLによるシンガポール航空の高品質低温流通ネットワークは、国際航空運送協会が定める医薬品における航空輸送品質認証(IATA-CEIV Pharma)を取得している。
シンガポール航空のカーゴ部門のシニア・バイス・プレジデントであるチン・ヤウ・セン氏は、「さらなる低温流通サービス拡充に取り組むとともに、業界パートナーと協力し、革新的な医薬品輸送を目指していく」と述べた。
スカイセルCEOのリチャード・エティ氏は「アジア太平洋地域では信頼性の高い安全な医薬品輸送に対する需要が高まっている。今回の提携で、新興市場へ医薬品の温度を変えることなく輸送することに貢献できる」と述べた。