JERA、日揮ホールディングス、インドネシア国営電力会社(PLN)の3社は、PLNの子会社が保有する火力発電所を対象にCCS(Carbon dioxide Capture and Storage、二酸化炭素回収・貯留)の導入および事業化に向けた共同調査を開始することとし、2023年9月26日に覚書を締結した。
同覚書では、PLNの子会社が保有するインドラマユ石炭火力発電所とタンバロロックガス火力発電所へのCCSの導入を検討し、技術的な課題や事業性の評価、法規制などについて調査および課題抽出を行うことにより、CCS事業としての実施可能性を評価することを定めている。
同調査では、JERAは総括的な役割を担い、CCS事業に関する市場調査、事業性の評価、法制度の調査などを実施する。日揮HDはCCSの貯留技術の検討やコストの検証を実施する。また、PLNはCCS導入の検討対象となる発電所のデータ提供や現地関係機関との調整を実施する。
なお、同調査は経済産業省による令和5年度「質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金」を受けて実施される。
インドネシア政府は2060年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げているが、国内のCO2排出量全体の約4割を占める電力セクターの脱炭素化が重要な課題になっている。
JERAの担当者はシンガポール新聞の取材に対し、「2023年9月中旬頃に共同調査を開始し、12月頃に中間報告、2024年2月頃に最終報告を行う予定だ。共同調査完了後、事業性があると判断できた場合はPre-FEED、圧入試験、FEEDといった段階を経て最終投資意思決定(FID)を目指す。FIDは2027年頃を予定し、3年程度の建設期間を経て、2030年頃からの商業運転開始を想定している」と答えた。