シンガポールの造船企業Sembcorp Marineは2019年5月24日、一対の回転式クレーンを備え2万トンを吊り上げる世界最大・最強の半潜水型クレーン船(SSCV)“Sleipnir”がテュアスのBoulevard Yardで完成したと発表した。蘭Heerema Marine Contractors社向けで、クレーン船としては世界で初めてマリン・ガス・オイル(海洋軽油、MGO)と液化天然ガス(LNG)の二元燃料エンジンを搭載する。承認されているバラスト水管理システムと組み合わせることであらゆる海域で運航できる。
Heerema社は既にデンマーク北海や英国北海での沖合エネルギー開発や洋上風力発電プロジェクトで、“Sleipnir”を配備する契約を複数締結しており、海上試験を経て数カ月以内に投入する予定。
Sembcorp Marine社長兼CEOのWong Weng Su氏は「Heerema社が世界で最大かつ最強で初の2元燃料半潜水型クレーン船を主力のTuas Boulevard Yardで建設する機会を与えてくれたことに感謝している」とコメントした。
Heerema社の取締役会議長Pieter Heerema氏は「“Sleipnir”にはいくつかの世界初がある。最強の回転クレーンがあり、MGOとLNGで2元燃料エンジンは有害な排出物を大幅に削減するものだ。こうした革新的な機能により、Heerema社はオフショア設備の設置と廃止の両面で、石油、ガス、風力エネルギー産業の発展の最前線にいることが確実になった」とコメントした。