DOWAエコシステム(東京都千代田区)のインドネシアの孫会社PPLi社が新たに有害廃棄物向け焼却・無害化設備の許可を取得し、2021年12月から稼働した。PPLi社にはシンガポールの完全子会社Modern Asia Environmental Holdings Pte.Ltd.が95%出資している。また、東ジャワ州に有害廃棄物も受け入れ可能な管理型最終処分場も備えた総合的な廃棄物処理拠点を新設し、2022年下期から運営を開始する。DOWAホールディングスが2021年12月8日発表した。
発表によると、今回許可を取得し稼働開始した有害廃棄物向け焼却・無害化設備は、インドネシア国内最大の処理能力と十分な排ガス処理設備をもつことに加え、着火時以外に補助燃料を使用する必要がほとんどない低炭素型の廃棄物処理設備で、PPLi社は燃料化や埋立処分には適さない性状の有害廃棄物の受け入れを拡大する。
PPLi社は現在(12月8日時点)、インドネシアで唯一許可を受けた有害廃棄物の最終処分場を保有しており、廃棄物の輸送、混合・燃料化、選別・再資源化、廃液処理、埋立処分など、総合的な廃棄物処理サービスを提供している。
焼却・無害化設備の概要
【 設置場所 】PPLi敷地内
【処理対象物】有害廃棄物(固形および液体)
【 処理能力 】50トン/日
【許可取得日】2021年11月30日
【稼働開始時期】2021年12月
◇PPLi社
【 本社 】Jl. Raya Narogong Desa Nambo, Cileungsi, Bogor, Indonesia
【 設立 】1994年
【資本金】495億ルピア
【代表者】千田 善秋
【従業員数】約800人
【 株主 】Modern Asia Environmental Holdings Pte.Ltd.95%、インドネシア政府5%
【業務内容】廃棄物の輸送、混合・燃料化、選別・再資源化、廃液処理、埋立処分
【2021年受入実績】約25万トン(年間)
また、DOWAエコシステムが2012年設立したDESI社は、東ジャワ州で有害廃棄物も受け入れ可能な管理型最終処分場を備える総合的な廃棄物処理拠点の建設を2021年から進めており、2022年下期の運営開始を計画している。
運営開始後にはPPLi社とDESI社が連携し、インドネシアで最も人口・産業が集中するジャワ島の東西で総合的な廃棄物管理サービスを提供できる体制を確立する。これにより、ジャワ島外も含めてインドネシア国内の対応エリアを広げるとともに輸送効率の改善も進めるとしている。
新拠点の概要
【 設置場所 】東ジャワ州ラモンガン県
【 敷地総面積 】54万㎡(計画)
【 業務内容 】廃棄物の混合・燃料化、選別・再資源化、廃液処理、埋立処分
【運営開始時期】2022年下期(計画)
◇DESI社
【 本社 】Jl.Raya Kupang Indah,Surabaya,Indonesia
【 設立 】2012年
【資本金】4,440万USD
【代表者】山本 淳
【従業員数】約50人(操業開始時計画)
【 株主 】DOWAエコシステム99%、Modern Asia Environmental Holdings Pte.Ltd.1%
【業務内容】廃棄物の混合・燃料化、選別・再資源化、廃液処理、埋立処分
DOWAエコシステムは2008年度に東南アジアへ進出し、現在インドネシア、タイ、シンガポールおよびミャンマーの4カ国で廃棄物の適正処理や再資源化などの環境・リサイクルサービスを提供している。