シンガポール・日本を拠点とする日系ベンチャーキャピタルRebright Partners Pte Ltdは2021年11月2日、運営するインド・東南アジアのDXスタートアップ向け投資をテーマとしたベンチャーキャピタルファンドに国際協力機構(JICA)が出資のうえ組合員として参画したと発表した。10月29日調印式を行った。
今後、JICAの協力を得て同ファンドの投資前判断に国際機関の基準に基づいた環境・社会マネジメントシステム(ESMS)を新たに導入し、投資先スタートアップが自然環境や社会に与える潜在的リスクの認識・緩和のための包括的なデューデリジェンスを実施する。
さらに、同ファンドはJICAと協力して独自にインパクト評価基準を導入し、投資先スタートアップによる現地の雇用創出数や医療アクセス向上、教育アクセス向上、労働者の技能・スキル向上など、社会に対するポジティブインパクトを定量的に目標設定および継続的モニタリングを行っていくという。
同ファンドはJICAとの協力することで、「成長著しい新興アジア地域のDX型スタートアップへの投資による経済的リターンを引き続き第一義として追求する事はもとより、アジア新興国における社会問題をDXにより解決する事で同地域における脱炭素をはじめとする環境保全や金融包摂、医療や教育へのアクセス向上等の社会貢献に寄与するインパクト投資を実施していく」としている。
なお、同ファンドには三井住友銀行、横河電機、三井住友海上キャピタル(運営ファンド)、佐々木食品工業、エラン、テクマトリックスなどの日本の事業会社や金融機関が複数参画しており、既にインド・東南アジア地域における医療、農漁業・フード、教育、人材開発、物流・サプライチェーン等の領域で事業を展開するスタートアップ7社への出資を実施済みという。
Rebright Partners社は、「ファンド組合員である日本企業とファンド投資先新興アジアのスタートアップとの間におけるDX並びに環境・社会インパクトのテーマでの連携を益々促進していく」としている。