シンガポールに拠点を置く日系コンテナ船社Ocean Network Express Pte.Ltd.(ONE社)と海運大手Hapag-Lloyd(独・ハンブルグ)は2021年6月24日、IBMとA.P.Moller-Maersk(デンマーク)が立ち上げた中立のサード・パーティー・プラットフォームで、IBM CloudおよびIBM Blockchain上で稼働して書類処理のデジタル化およびワークフローの自動化に寄与するTradeLensプラットフォーム上への統合を完了したと発表した。
発表によると、TradeLensは、船荷主および輸送業者に単一プラットフォームを通じたデジタル化された複数輸送業者の可視性と書類処理プロセスへの許可制の直接アクセスを提供する。紙ベースのプロセスの必要性を低減するとともに、グローバル貿易に従事している参加者は自社商品の流れに関する単一の最新物流データを見ることができる。
海運世界5位のHapag-Lloydと6位のONE社が、TradeLensを創設したA.P.Moller-Maersk、2020年10月に統合を完了したCMA CGM(仏・マルセイユ)とMediterranean Shipping Company(MSC、スイス・ジュネーブ)、既にTradeLensプラットフォームに出荷データを入力している他の5つのキャリアに加わったことで、海運世界上位6社のうち5社がTradeLensに統合されたことになる。最近は、船荷主や輸入業者など海運業界全体からのTradeLens参加組織も拡大しており、現在、海運事業者10社と600を超える港湾やターミナルからのデータを包含する300以上の組織が参加していて、4,200万のコンテナ貨物、22億件のイベント、2,000万の書類を処理しているという。
ONE社のジェレミー・ニクソンCEOは、「TradeLensがサプライチェーンの当事者すべてが使えるデジタル・エコシステムを担うことで、顧客に透明性が高い、安全且つ継ぎ目のない諸々の貿易手続きや貨物の行程情報を提供できるメリットがある。また、TradeLensのオープン・スタンダードとオープン・ガバナンスにより、顧客のみならず業界全体のデジタル化および自動化の促進に貢献できると考えている」とコメントした。