ソフトバンクは、アジア太平洋地域の通信事業8社で設立したコンソーシアムにより日本、中国、香港、フィリピン、ベトナム、タイ、シンガポールを結ぶ大容量光海底ケーブル「ADC(Asia Direct Cable)」を建設することに合意し、建設保守協定を締結した。2020年6月11日発表した。
8社は、ソフトバンクと、China Telecom(中国)、China Unicom(香港)、PLDT Inc.(フィリピン)、Viettel(ベトナム)、CAT(タイ)、Singtel(シンガポール)、Tata Communications(印)。同コンソーシアムは、ADC建設に当たり、日本電気(NEC)とADCのシステム供給契約を締結した。
ADCの総延長約9,400km。2022年末完成、運用開始を予定する。最新の光波長多重伝送方式を採用し、140Tbps(テラビット毎秒)以上の設計容量を実現し、5G(第5世代移動通信システム)をはじめ、IoT、AI(人工知能)、クラウドサービスなど、アジア太平洋地域で増大するトラフィック需要に対応する。
ソフトバンクはADC建設において、日本の陸揚げ局として千葉県南房総市に所在する「ソフトバンク丸山国際中継所」を提供する。同中継所には2020年運用開始予定の太平洋横断光海底ケーブル「JUPITER」など多数の海底ケーブルが接続されている。
NECは6月11日、日本、中国、香港、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナムを結ぶ大容量光海底ケーブル敷設プロジェクト「Asia Direct Cable(ADC)」のシステム供給契約を締結したと発表した。
NECは、過去50年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛け、地球7.5周分のべ30万kmを超える敷設実績がある。特に日本を含むアジア・太平洋地域に強みがあるという。
ADCのケーブルは、日本で唯一、深海8,000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社OCC(本社: 横浜市)担当する。